前福島県知事 原発を語る [ 2011/ 8. 5 記:関根敏伸]
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民主党自治体議員フォーラム
「福島原発の真実」の著者である前福島県知事の佐藤栄左久(さとうえいさく)氏が、民主党の自治体議員フォーラムにおいて講演されました。
3月の原発事故以来、佐藤氏は全国各地から、講演会の依頼がひっきりなしの状態です。
本来、前知事は、「原発政策には必ずしも反対の立場にはなかった」とのことですが、平成元年に発生した福島原発事故の際、国と東京電力の対応への不信感から、その考え方を変えていった経緯があります。
事故により、最も大きな影響をうけるのは地元の自治体とそこに住む住民です。しかしながら平成元年の事故では、地元への報告が最も後回しにされてしまいました。
また、原発政策は国策として進められ、本質的な政策決定に地元が全く関与出来ないのが現状です。ここに原発行政の大きな矛盾があると氏は訴えております。
さらに、エネルギー政策上「原発は必要なものだ。だから安全だ・・・」という本末転倒の論理で、安全性への対応策が十分検証されて来なかったことが3月の事故につながった、とも指摘されております。 今こそ「正当な目で、原発政策全般を考える時期に来ている」という言葉が、講演の本質だと私は理解しました。
前知事は、原発の維持や使用済み燃料の再処理には、明確に否定的な立場をとっていましたが、原発の全面停止には触れておりません。 著書を見ても、そのような立場で書いております。それだけ、原発の問題の本質は難しいものがあると思われます。
「脱原発」か「原発の維持」か?など、二者択一で片付けられないのが、この問題の奥深さであり、岩手県議会6月定例会でもこの点が、大きな議論となりました。
当面は「減原発」にむけ、エネルギー政策と国民生活、産業界への影響なども含め、本格的な「考原発」の議論を時間をかけ進めることが大事なのではないでしょうか。
氏は、冒頭紹介した著書の他、「知事抹殺」の本も執筆さてれおります。原発問題も含め、検察権力の実態など、興味深い事実がぎっしり詰まっており、一読をお勧めします。
(佐藤氏は現在、公共工事の談合を巡る裁判で上告し、最高裁において係争中です。)